塗膜計とは、車の塗装の厚みを測る計測機器のことです。
バンパー以外の部分は金属の上に塗装が施されています。新車の段階では均一に塗装されていますが、傷や事故の修理を行うと、その部分だけ塗装の厚みが変わることがあります。

塗膜計を使用する目的は、査定士の経験に関係なく、外装の修理を正確に判断するためです。
経験豊富な査定士は塗装状態を見るだけで再塗装をある程度判別できますが、修理技術が高い場合は見落としてしまうこともあります。
外装修理の見落としを防ぐことは、その車が修復歴車かどうかを判断するために必要です。
塗膜計の使い方をマスターし、外装修理の見落としをなくしましょう。
理解を深め、各店舗に置いてある塗膜計を実際に使い慣れていきましょう。
塗膜計の使い方
まず、この塗膜計を当てるポイントをいくつかお伝えします。
- 鉄の部分にしか使えない(前後バンパーは不可)
- 輸入車には効果的でない
- 測定するポイントを間違えない
- 査定するお客様の車で使うときは慎重に
- 新車の塗装厚は約70~160の数値です。180以上の数値が出た場合は修理している可能性が非常に高いです。
詳細なポイント
- 鉄の部分にしか使えない
- 冒頭に説明したように、鉄の上に塗られている塗装厚を計測するため、フロントバンパーやリアバンパーは計測できません。
- 輸入車には効果的でない
- 輸入車の塗装厚は国内車と異なる場合があるため、正確な測定ができないことがあります。
- 測定するポイントを間違えない
- 例えば運転席ドアを計測する場合、1か所だけの計測では修理を見落とすかもしれません。修理は傷や凹みを直すため、1パネルに対して複数箇所を計測しないと、再塗装部分が判別できないからです。参考例として計測するポイントに印を付けた例がありますので、覚えておきましょう。
- 査定するお客様の車で使うときは慎重に
- 塗膜計をボディに当てる部分は硬い素材なので、お客様の車を査定する時は指を添えながら、ゆっくり計測するようにしましょう。
- 新車の塗装厚は約70~160の数値です。
- 180以上の数値が出た場合は修理している可能性が非常に高いです。つまり、そのパネルの内側で修復歴に該当する修理をしている可能性が高いため、注意深く査定するようにしましょう。
この塗膜計の使い方をマスターすることで、外装修理の見落としを防ぎ、より正確な査定を行うことができます。
しっかり理解し、実際に使い慣れていきましょう。